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七海のクリスマスローズBlog

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クレマチスの早期発芽に向けて ⑫ジベレリンまとめ

普通の大輪系クレマチスのシーズンはそろそろ終わりの頃です。
我が家ではしぶとくテッセン、フォンドメモリーズが咲いてします、
そしてこの花も・・・
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この花いいですよね!
淡いピンクピコティの万重咲きです。
セミダブル的な万重の状態がとても素敵です。
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この花は実は紫子丸の花です。
クレマは低温期で色褪せる傾向が大半ですが、ここまで色褪せるとまるで別人(笑)
でもそれが新鮮であり、それはそれで美しい。

*******

さて本題です、
今日は、今季取り組んだクレマチスの早期発芽の まとめ です。
【背景】
クレマチスの発芽は、発根が始まればあっという間に伸びるのですが、
その発根がいつなのかと言うと、とてもじれったいです。
交配年度の秋に発根するものもあれば、翌年の春や秋になったりするものも多々あります。
バラバラに発根されるので、それまでの管理が大変だったり、
交配結果を次にフィードバックさせることが遅れるという問題があります。

【目的】
そこを何とかなりませんかね!
やはり交配結果は早く見たいものです。

目的は:育種効率の向上
第一目標:揃った発根。
第二目標:早期の発根。
そして、腐るなどのリスクの見極めも必要です。

【方法】
今季は植物ホルモンのジベレリンに取り組んでみました。
2種類の種群を、それぞれ5種類の条件に分けて最適条件を探ります。
詳細は過去のBlogを参照ください(^^;)
クレマチスの早期発芽に向けて ⑫ジベレリンまとめ_c0025140_20351615.jpg


【結論】
うむむむ・・・、どう書きましょうかね(笑)困ったものです。表現が難しいです。
経験者が俗に表現する 「おまじない程度」 という表現が合いますね(^^;)
苦労の割には、有効な結果にたどり着けずすみません・・・

効果が出るものと、出ないものがありました。
腐るリスクが若干高まる手応えを感じました。
品種ごとに処理方法の最適化をしないとダメなのかもしれません。
低温処理は必要ない手応えを感じました。
低温処理で発根が揃うような効果もなく、腐りにくい効果もなく、発根が遅れます。
注意:
・処理方法や品種で結果が変わる可能性があります参考程度にしてください。
・ジベレリン処理にはリスクがあります、推奨するものではありません。

【結果】
公開してきた2種類の種群はほとんどが発根しました。
発根は急に来て、急に伸びるので3日おき程度で確認しないと危険です(笑)
クレマチスの早期発芽に向けて ⑫ジベレリンまとめ_c0025140_20352252.jpg

公開中の2品種の結果を11月9日現在の状況を表にまとめました。
それぞれ5種類の条件で比較しています。

↓この品種なんかはジベレリン処理なくともバリバリ発根してきました。
実験サンプルとしてはダメですね(笑)、でも逆の意味で面白いサンプルです。
クレマチスの早期発芽に向けて ⑫ジベレリンまとめ_c0025140_20352893.jpg

↓この品種は無難な結果です。効果が感じられます。
最近ようやく未処理の発根率が上昇してきました。
クレマチスの早期発芽に向けて ⑫ジベレリンまとめ_c0025140_20353319.jpg

このほかに4品種のジベレリン処理を仕掛けていますが
効果が高いとは言えないような状態です。
まさに「おまじない程度」という表現が合いますね(^^;)

来年はどうするかなぁ・・・
劇的な効果が無いのなら、処理が大変なことを考えると、効率が良いとは言えません。
発根の不得意な品種にのみ実施するとか?

**********

ジベレリンの効果とは別の話ですが、今季はなぜか全体的に発根が良好です。
そのおかげでジベレリンの効果が感じられない状態です。
嬉しい事ですが、ジベレリン処理しない種までもが良好に発根してしまう(笑)
なぜだろう?
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青採りもいつも程度、湿潤保管もいつも程度だし、
いつもと決定的に違う条件が思い当たりません。あるとすれば・・・
種の渋皮を丁寧に剥いたから?
種を洗ったから?
うむむむ・・・解りません。
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今日までに2013年交配の発根だけで390本を植え付けました。
発根はバラバラにやってくるので大変です(^^;)けっこう骨の折れる作業です。
今季はジベレリン実験のためにたくさん試料を集めましたが
来年は激減させる予定です。体がもちません(笑)

そろそろクリスマスローズのプラグ苗の植替えを始めなければ!
頭の中をクリスマスローズモードに切り替えます。
スイッチON !
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去年の蕾です(^^;)
by nanami7kuri | 2013-11-09 23:17 | クレマチスの交配 | Comments(2)
Commented by ぶんちゃん at 2013-11-11 18:07 x
まず目に入ったのはピンクのフロリダ系、すごーい、大地さんの作品さすがー! と思ったら紫子丸と聞いて二度びっくりです。うちにもこんなの咲いてほしいな。
ジベレリン実験は大変なことなのに、結果だけこう.して教えていただけてホントに有難くもったいないことです。
星フラの子の発根が良いというのを聞いたときから、ふと思ったのですが、親がグレイヴタイ・ビューティーでテキセンシス
の血が入っている事と関連性はないのかな・・・裏付けの無い推測発言でスイマセン…
へレボの蕾、ワクワクしますね!こんなに素敵ならハマッテしまうのもわかる気がします。これからも楽しみにしてますよ!
Commented by 大地 at 2013-11-11 22:56 x
ぶんちゃんさん、こんばんは♪
おやっ、なんだこの花?って私も驚いたのですが、蔓を辿ったら紫子丸でした(笑)なんだか綺麗ですよね!
気候でこんなに変わるんですね?実生だったら2、3年開花させてみないとホントの花色がわからないのかなぁと困惑してます(^^;)
ジベレリンの件、苦労の割にはお役に立てそうな結果にならず、ちょっと残念です。
来年は発根が遅い系統に施すようにしてみますね!
それと、全体的になぜ今季発根が良好なのか?これも疑問です。

テキセンシス系の視点で見るのもいいですね!
私は原種系の種を蒔いた経験が少ないのですが、品種ごとに最適化が必要かもしれません。種の大きさも気になったのですが小さい種の品種でも良好に発芽してしまったりと、理解不能でした(^^;)種の渋皮排除が要因かも?
一言で言うとクレマは気まぐれ(笑)かなぁ。

それから、講演会では質問を沢山してしまい文章化の手間を増やしてしまいすみませんでした(^^;)

クリスマスローズの交配・クレマチスの交配を楽しもう。


by 大地
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